小澤瑶生(おざわたまお)
小澤長野県上伊那郡辰野町出身。元女子プロボクシング世界チャンピオン
拓殖大学卒。大学時代はバスケットボール選手としてインカレベスト4、オールジャパンを経験
プロボクシング戦績:22戦 17勝 6KO 5敗
初代G Legendスーパーフライ級王座
第5代OPBF女子東洋太平洋スーパーフライ級王座(防衛0)
第2代日本女子フライ級王座
第8代WBO女子世界スーパーフライ級王座
BLOG & INFO
昨年の9月にボクシングを休んで妊活に入ることを決意しましたが、この度、幸いにも命を授かり、初めての妊娠生活を送っております。
この時点でのご報告は少し悩みましたが、今まで沢山の方々に応援して頂いて来たので、自分でご報告しようと思いました。
せっかくなので、’’女子アスリートの妊活&出産’’と言う視点でお伝えしようと思います。
もしも、私と同じ様に「競技と妊活」の間で悩むアスリートの方がいれば、一つの経験談として参考になればいいなと思います。
ボクシングお休みと妊活を決意した理由は前回のブログでご報告した通りですが、もう一つのきっかけになったのは、一昨年末に受けたホルモン検査の結果でした。
当時34歳。「いつか子供を産みたい」と言う思いはずっと持っていましたが、いよいよそれが叶うかどうか…気になる年齢になっていました。
特に、私は女子ボクサーとして10年近く活動しており、減量の繰り返しを続けていたこと(その影響で試合の前には生理が止まる事もしばしばありました)もあり、身体に掛けてきた負担も不安の一つでした。
漠然と悩むよりも、自分の体の状態を知った上で先のことを考えようと、基本的なホルモン検査を受けることにしました。
幸い、殆どの項目で特に問題はありませんでしたが、「AMH」(アンチミューラリアンホルモン・抗ミュラー管ホルモン)の値が年齢平均よりも低いと指摘されました。これは卵巣に残っている卵の数に関係するホルモンで、卵子の質を判断するものでは無いとのことでした。つまり、「妊娠しにくいと言うことはないが、期限は迫っている」と言う結果です。(*AMH1.7という値でしたが、無事妊娠できました。この値が低いと言う事で今悩んでいる方がいるとしたら、不安になりすぎないで下さい!とお伝えしたいです)
この様な準備をしたおかげで、「35歳」と言う自分で定めたボクシングの期限が来た時、その年にチャンスが来なければ一度区切りをつけようと決意が出来ました。
いざ、期限が迫ってくると、
今まで本当にコツコツとトレーナーに教えて貰って来たのに…
沢山の人に応援して貰っているのに…
もう少し待てばチャンスが来るかもしれない…
色んな気持ちがあり、何度も心が揺れました。
でも、ボクシングを続けるにしろ、休むにしろ、辞めるにしろ、その理由を周りの人や状況に見出してはダメだと思いました。きちんと自分で決断する為に、自分自身の身体について知る事は良かったと思っています。
最終的に私はボクシングを休み、妊活する事を選びました。一度キャリアを中断してカムバックする事は、あのまま現役続行して世界を目指す事よりも難しい事だと思います。
我が子が無事生まれて来てくれたら、「あなたのおかげでより大きな目標を持つことが出来たよ」と、赤ちゃんにありがとうを伝えたいです。
私はいざ自分が妊娠・出産を意識するまでは、自分の(女性としての)身体について、気にはしながらも調べる事はしませんでした。アスリートにとっては「今」が一番大事で、キャリア後の生活を考えることはなかなか難しいと思います。女性としてのリズムが崩れてもついつい放ったらかしにしてしまう事もあるんじゃないかと思います。
今振り返ると、キャリアの初期からもうちょっとその辺りを気にするべきだったなあと思います。私の場合は減量で身体のリズムは乱れましたが、試合後は必ず元に戻せていたので妊娠に影響が出なかったかなと思いますが…全ては結果論。今もずっと悩み続けていた可能性もあるわけです。女性の周期を整える事は、競技の為のコンディション作りにも役立つそうです。
決して、出産をすべきと言う事ではありません。人生を通して長い時間を競技に捧げる事もとても難しく、素晴らしいことで、それを実現している選手の方々の事は本当に尊敬しています。他の分野で活躍する方に対しても同じ気持ちです。
ただ、将来の自分の選択を助ける為に、今の自分のことを知っておく事は大切だなあ。と思いました。
ちょっとめんどくさいけど、何か気になったら是非産婦人科へ!
早く会いたいな☺️
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