①-4. 言語感覚の違いが身体感覚に与える影響
言葉のリズム感覚の違いが身体感覚にどのような影響を与えているのでしょうか?
一番の違いは、日本人と外国人ではカラダの動かし方、方向性が180度違う、という事です。
その違いが顕著に現れるのが「叩く」という動作です
こちらの動画では、日本人とアメリカ人の初心者の方がそれぞれ和太鼓に挑戦しています。
手前側のアメリカ人の女性は叩いた瞬間に自然と手が上方向に上がっている(アップビート)のに対し、奥側の日本人の男性は上から下に押し込むように叩いています(ダウンビート)。
他のわかりやすい例では、日本語と英語では拍を数える時にカラダの動かす方向が変わります。
日本語:「イチとニイとサンとシイと」
表拍で頭を上から下に振り下ろす(ダウンビート)、指を曲げて数える

英語:「and one(エワ ) and two(エツ) and three(エスリ ) and four(エフォ)」
裏拍でクイクイと頭が上に上がる(アップビート)、指を伸ばして数える

日本人と外国人の演奏が違うものに聴こえるのは、このカラダの使い方、力の方向性が180度違うためです。下半身から上半身への筋肉の連動のさせ方や脱力、リラックスというカラダの緩め方に対する感覚もまた日本人と外国人では全く違います。
日本人はお辞儀の文化と言われるように、カラダを腹筋中心に丸める使い方をし、逆に
外国人はハグの文化、背筋中心にカラダを開く使い方をします。
また、(和)包丁やノコギリも、
日本は引いて切るのに対し、
欧米人は押して切ります。
刃の付いている向きが逆になっており、力を出すための方向性が真逆なのです。
リズム感覚が違う事は、カラダの使い方が違う、筋肉の状態も違う、音楽の聴こえ方も違う、楽器の弾き方も違う、メンタリティも違う、という事に繋がります
この日本人と外国人の身体感覚の違いは「お辞儀」の仕方を見ればすぐに分かります。
日本人は、体を内向きに曲げる、体の外側の筋肉を固める、という身体感覚に違和感が無いため、肩と腕の筋肉を固めて体にピタッとくっつける、日本的なお辞儀の作法を自然と行う事が出来ます。幼少期から作法として教わっている事も要因として大きいでしょう。
一方、この、筋肉を固めて体にピタッとくっつける、という感覚は外国人には基本的にありません。手足がブラブラと胴体にくっついているので、頭を下げると自然と腕もブラーんと真下に垂れ下がってしまうのです。

これくらい、私達日本人が感じている身体感覚と、外国人の身体感覚は、当たり前の状態がそもそも違うのです。
外国人の指導者は、この欧米人にとって当たり前のリズム感覚と身体感覚を元に話をしてしまいます。「指先の動きを意識しましょう」という言葉一つをとっても、日本人と欧米人では受け取り方、体の動かし方がまるで異なってしまうのです。
