①-5. 歩き方を変えればリズム感覚が変わる
私達日本人が、外国人のようなリズム感覚・身体感覚を手に入れるためにはどうすればいいのでしょうか。リズム感覚の元になっている言語を外国語にいきなり変える、というのは不可能です。
私が考える、日常的に意識できる、最も効果的な方法は「歩く時のリズム感を変える」という事です。
日本人は歩く時、無意識に日本語の感覚で歩いています。「1と2と3と4と」という風に表拍に加重を置き、一歩ずつ踏みしめる、という感覚です。複数人で行進をする時も、腕の振りや足の動きをこの拍の頭に合わせて揃えようとします。実はこれは盆踊りを踊っている時の感覚そのままです。

一方で外国人は「and one(エワ ) and two(エツ) and three(エスリ ) and four(エフォ)」と裏拍を起点としたリズム感で歩きます。「and」の裏拍のタイミングに加重のポイントがあり、そこから伸び上がるように上向きにカラダが動くのです。

実はこの日本人と外国人の歩き方の違いを一番感じているのは、外国のダンスをする人では無いでしょうか。ダンスはベースとなる音楽やリズムに合わせてカラダを動かして表現をしますが、この音楽のリズムと身体感覚がチグハグな状態では上手くカラダを動かせません。日本人的なリズム感・身体感覚のままでは、外国のダンスは上手く踊れないのです。
また、私の経験上、ダンスが上手い人ほど外国語の歌や楽器を始めても上達が早いように感じます。それは外国人の身体感覚というfeelが備わった状態からスタート出来るからだと思います。
意識的に歩き方を変える事で、リズム感覚、身体感覚の全てが変わります。
特に変わるのが下半身の筋肉の動かし方。それに連動した形で上半身の感覚が変化します。そして背中から肩、腕がブラブラと動く感覚につながっていきます。
ポイントは「and one(エワ ) and two(エツ) and three(エスリ ) and four(エフォ)」と裏拍を起点に英語のfeelでリズムを感じる事です。andの裏拍のタイミングで加重をかけ、伸び上がるように体を動かしてみましょう。体感を中心に手足がブラブラと振り子のように揺れる動きを感じてください。
身体操作の秘密は、股関節・骨盤・体幹を中心としたカラダの動きにあります。お尻の筋肉、背中の筋肉、肩甲骨、そしてそこに繋がっている手足がブラブラと動いている、という感覚です。
黒人の子供達は、まさにこの体幹だけでカラダ全体を動かしています。
外国人的なリズム感覚・身体感覚を持ち続けるための日常的なトレーニングとして、裏拍を起点とした歩き方をいつも意識すると良いでしょう。
私のレッスンでは、まずこの身体操作の感覚を掴んでもらう事を中心にピアノレッスンを行なっています。外国人のリズム感覚をベースにした基本的な歩き方、カラダの動かし方、クラシックの楽曲を用いた基礎的なピアノの奏法だけでなく、ジャズらしく聴こえる為の奏法を指導しています。
